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2022.08.18

忌み言葉とは?

忌み言葉とは、結婚式や葬儀など特定の場面で使用を控えるべき言葉のことです。結婚式では別れや不幸を連想させる言葉や、読み方によっては縁起の悪さをイメージさせる漢字を避けなくてはいけません。普段の会話でごく自然に使うような言葉や言い回しも、結婚式の場では忌み言葉とされることがあります。
幅広い年代の方々が出席する晴れの場で、悪気なく忌み言葉を使ってしまい、おめでたい空気に水を差すのは避けたいですよね。結婚式のマナーとして、これから紹介する忌み言葉を、言い換え例とともに頭に入れておきましょう。

結婚式で避けたい忌み言葉①【不幸・不吉さを連想させる言葉】

新郎新婦の門出を祝うおめでたい席に、不幸・不吉さを連想させる言葉は禁物です。普段の会話やメールなどで使う言葉も多いため、一通りチェックしておきましょう。

忌み言葉の一覧

飽きる、浅い、焦る、褪せる、忙しい(漢字の中に縁起の悪い「亡」の字が入っているため)、痛い、おしまい、落ちる、終わる、欠ける、悲しむ、枯れる、崩れる、消す、壊れる、最後、冷める、去る、~してしまう、死ぬ、捨てる、絶える、散る、倒れる、とんでもない、流す、泣く、無くす、亡くなる、涙、病気、冷える、降る、ほどける、仏、滅びる、負ける、短い、病む、破る、敗れる、割る、悪い
漢字の九(く)、四(し)は、ここのつ、よんと言い変える

よくある言い回しとその言い換え例・ポイント

  • お忙しい中→ご多用のところ
  • 最後に→結びに
  • 終わる→おひらきにする
  • 泣く→涙する
  • 去年→昨年
  • 壊れる→変化する
  • 負けた時→勝てなかったとき
  • 辛かった→頑張った
特に気を付けたい結婚式の忌み言葉は「失う、別れる、切れる、殺す、壊れる、死ぬ、病気」です。これらは結婚式の場でなくとも強い印象を与える言葉です。スピーチの際は特に気を配ってください。

結婚式で避けたい忌み言葉②【別れを連想させる言葉】

別れとはすなわち、新郎新婦の離婚のこと。他にも結婚生活の短さや、再婚を連想させる言葉にも気を付ける必要があります。

忌み言葉の一覧

【別れを連想させる言葉】
失う、落ちる、終わる、返す、帰る、消える、切る、切れる、断る、去る、裂ける、捨てる、出す、流れる、逃げる、離す、離れる、ほころびる、ほどける、別々、負ける、戻る、忘れる(漢字の中に縁起の悪い「亡」の字が入っているため)、別れる、忙しい など
【結婚生活の短さを連想させる言葉】
短い、冷める、切る、カットする、縮まる
【夫婦関係の悪化を連想させる言葉】
飽きる、薄い、嫌う、冷める(冷える)、疎遠、耐える、泣く、もめる
【再婚を連想させる言葉】
繰り返す、再三、何度も、再び、二回(二度)、ではまた

よくある言い回しとその言い換え例・ポイント

  • 帰る→帰省、帰宅する
  • ケーキを切る→ケーキにナイフを入れる
  • 月日の流れは→月日が経つのは
  • 実家を離れてから→一人暮らしを始めてから
  • 短い時間→つかのま
  • 新たなスタートを切る→スタートラインに立つ
  • 料理が冷める→料理が温かいうちに
  • 再び、ではまた→今一度
  • 何度も→頻繁に
  • 再会した→久しぶりに会った
上記のうちいくつかは「不幸を連想させる忌み言葉」と重複しています。それらの言葉はそれだけネガティブなイメージを持つということ。特に気を付けてください。

結婚式で避けたい忌み言葉③【重ね言葉】

重ね言葉とは、同じ言葉を繰り返すこと。繰り返しは、結婚式の場では再婚を連想させるため、ふさわしくありません。話し言葉でよく使うものもあるので、チェックしておいてください。

忌み言葉の一覧

相次いで、いろいろ、重ねて、重ね重ね、返す返す、くれぐれも、しばしば、重々、次々、たびたび、たまたま、ぜひぜひ、なお、なおも、また、まだまだ、皆々様、もう一度、わざわざ など

よくある言い回しとその言い換え例とポイント

  • 重ねて、重ね重ね→深く
  • くれぐれもよろしく→今後ともよろしく
  • 次々、いろいろ→たくさん
  • また→改めて、さらに
  • まだまだ未熟者→今はまだ未熟者
  • 皆々様→皆様
  • わざわざ→ありがたく、特別
  • 繰り返しますが→先ほど申し上げましたが
  • いろいろな思い出→たくさんの思い出
上記の例外としてポジティブな意味を続ける「どんどん、益々、みるみる」は、あまり気にしなくても良いでしょう。

忌み言葉以外の、結婚式で避けたい言葉や話題

結婚式で避けたい言葉

頑固、気が強い(弱い)、暗い、仕切り屋、神経質、頼りない、負けず嫌い、若い、など

言い換え例

  • 頑固→強い意志を持つ
  • 気が弱い→優しい
  • 仕切り屋→リーダーシップがある
  • 神経質→折り目正しく真面目
  • 頼りない→控えめ
  • 負けず嫌い→誰より責任感が強い
新郎新婦の友人としてスピーチをするとき、つい気安さから「新婦の〇〇さんは、少し頼りないところもありますが」などの表現をしがちです。この場合は「とても優しい」など、肯定的な言い回しを考えてください。

結婚式で避けたい記号「句読点」

「お祝いごとには終止符を打たない」という意味で、「、」「。」といった「句読点」は使わないのがマナーです。区切りが必要なときはスペースや行間を工夫して調整しましょう。特に招待状などのペーパーアイテム、映像用のテロップなどを作成するときは注意してください。

結婚式で避けたい話題

新郎新婦の暴露話:結婚式にはさまざまな立場の人が参列しているので、誰かを不快にさせかねない話題はいただけません。特に新郎新婦の過去の恋愛、失敗談は避けてください。
自分の自慢話:結婚式の主役は新郎新婦ということを忘れてはいけません。自分の話は最低限に留めましょう。
子どもの話:子どもに関する考え方は人それぞれです。大変デリケートな話題なので、結婚式では避けてください。
下ネタ:結婚式というフォーマルな場にはふさわしくない話題です。

忌み言葉を回避するコツ

忌み言葉はたくさんあるので、チェックするのも大変です。そこで忌み言葉を回避するコツや、うっかり忌み言葉を使ってしまった場合の対処法も紹介します。

全体をポジティブなトーンにすれば忌み言葉を回避しやすい

忌み言葉をただ別の言葉に変換するのではなく、全体をポジティブなトーンにすれば自然と忌み言葉を回避できます。例えば、部活の辛い練習を乗り越えたというエピソードなら、「ハードな練習も大切な仲間と励まし合って乗り越えられた」とポジティブな話し方を意識してみてください。また、結婚に伴い遠くへ行く新婦を思う切ない気持ちも、新たな地でふたりの生活を始める新婦へのポジティブな励ましに変換してみましょう。

結婚式で忌み言葉を使ってしまった場合の対処法

細心の注意を払っていても、すべての忌み言葉を使わないというのは至難の業。本番でうっかり忌み言葉を言ってしまうことがあるかもしれません。そんなときは「失礼しました。」と謝罪の言葉を述べ、そのまま話を進めてください。
絶対に避けるべき忌み言葉ならまだしも、普段の話し言葉にも頻繁に登場する重ね言葉がつい口を出ることは珍しくありません。慌てず落ち着いて、失敗したことを潔く謝罪することが大切です。

結婚式の忌み言葉を知り、お祝いをふさわしい言葉で伝えよう

結婚式で避けたい忌み言葉や言い換え例を頭に入れて、スピーチ原稿やお祝いのメッセージなどを作成する際はしっかりチェックしてくださいね。そして、もし本番のスピーチや挨拶でうっかり忌み言葉を言ってしまった時は慌てず落ち着いて「失礼しました」と謝罪をしたうえでスピーチを進めてください。お祝いの場にふさわしい言葉遣いで、新郎新婦へ気持ちを伝えたいものですね。

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